オーバーレイ工法施工の流れ
オーバーレイ工法で舗装工事をする流れは、どのようなものがあるのでしょうか。
施工する際、どのような作業があるのか紹介します。
①準備工
オーバーレイ工事を行う前に、まずは準備を整えましょう。
- 既設舗装の破損箇所や不陸には、状況に応じてパッチングやレベリング、局部打ち替えなどを行います。
- 路面をきれいに清掃し、ゴミや泥などを取り除きましょう。
②タックコート
タックコートとは、アスファルト層とアスファルト層の間に散布するアスファルト乳剤です。
層と層の接着を強化するために、使います。
縁端部がすりつけ処理になる場合は、供用後の剥離・飛散を防止するためにタックコートを十分に施すことが望ましいです。
- デストリビュータなどで、アスファルト乳剤を所定量均一に散布し養生します。
- 散布の開始と終了の際、スプレイノズルから乳剤が漏れることがあるため、マットやシートなどでその部分を覆いましょう。
- 付帯構造物に養生用ビニールを巻くか、水でといた石粉を塗布して保護します。
構造物に乳剤が付着すると後で清掃しにくいためです。
アスファルト乳剤など、既設路面に溜まらないように注意して塗布しましょう。
③混合物の敷きならし
混合物の敷きならしは、通常アスファルトフィニッシャで行います。
しかし使用できない箇所には、人力で行いましょう。
- 混合物は締固め後に、所定の厚さが得られるように敷きならします。
- 敷きならし作業中に雨が降り始めた場合、敷きならし作業を中止します。
同時に、敷きならした混合物はすばやく締め固めて仕上げましょう。
④締固め
敷きならし終了後、混合物は所定の密度が得られるように締固めます。
締固め作業は継目転圧、初転圧、二次転圧および仕上げ転圧の順番で行うことが一般的です。
初転圧
初転圧は、10~12トンのロードローラで2回つまり一往復程度行うことが多いです。
ヘアクラックの生じない限り、できるだけ高い温度で行いましょう。
110~140度が一般的です。
二次転圧
二次転圧は、8~20トンのタイヤローラまたは6~10トンの振動ローラで行うことが一般的です。
タイヤローラを使った混合物の締固めは、以下2点の効果があります。
- 交通荷重に似た締固め作業により、骨材のかみ合わせを良くする
- 深さの方向に、均一な密度が得やすい
そのため、重交通道路や寒冷地、摩耗を受けやすい場所の施行に適しているでしょう。
振動ローラを使用する場合、タイヤローラを使用するときよりも少ない転圧回数で所定の締固め度を得られます。
施行温度は、70~90度が一般的です。
仕上げ転圧
仕上げ転圧は、タイヤローラあるいはロードローラで2回つまり一往復程度行いましょう。
これは、不陸の修正やローラマークの消去のために行います。
二次転圧で振動ローラを使用した場合は、仕上げ転圧にタイヤローラを使うことがよいでしょう。
仕上げた直後の舗装上に、ローラを長時間停止させないように注意してください。
⑤養生
締固め終了後、舗装表面の温度が約50度以下になるまで養生します。
その後周辺の清掃・片付けをし、交通解放を行いましょう。
まとめ
本記事では、オーバーレイ工法の特徴や使用材料の種類、施工の流れについて紹介しました。
- オーバーレイ工法は既存舗装の上に「重ねる」舗装
- 他の舗装工事より短期間かつ騒音に配慮した工事が可能
- 既存舗装の頑丈さと平たん性を回復させられる
- 目的や場所によって、アスファルトの種類は変えることが大切
- 準備工、タックコート、敷きならし、締固めの順番に施工
一からアスファルトを敷くよりも、安価かつ短期間で頑丈にできるのがオーバーレイ工法です。
凹んだりすり減ったりしてしまったアスファルトのメンテナンスに迷っていた人は、ぜひ参考にしてみてくださいね!