「荒れた舗装を修繕したいけど、どんな方法がいいの?」
そんな人に向けて本記事では、切削オーバーレイ工法について紹介します。
ただ重ねるオーバーレイ工法と異なり、切削したうえでアスファルト舗装を重ねる施工方法が切削オーバーレイ工法です。
この記事では、主に以下3点について調べました。
- 切削オーバーレイ工法の特徴とメリット
- 切削オーバーレイ工法の流れ
- 施工時の注意事項3点
既存舗装の修繕を迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください!
切削オーバーレイ工法ってどんな舗装工事?
切削オーバーレイ工法とは、既設アスファルト混合物層の一部分を切削したあとにオーバーレイ工法を行う舗装方法です。
数百メートルに及ぶ大きな舗装工事になるケースがよくあるため、夜間での工事が多い特徴があります。
切削オーバーレイ工法を行う場合は、以下2点の方法が基本です。
- 切削した厚さだけ打ち換える
- 舗装厚の不足分まで厚く舗設する
既存舗装の破損の程度によっては、既存舗装を取り去って新しく舗装を設ける打ち換え工法と組み合わせて施工することもあります。
高性能な切削機が普及したことで、最も一般的に採用される舗装修繕工法です。
路面切削機は、走行携帯からホイール式とクローラ式に分けられます。
中でもよく使われているものは、積込付き路面切削機です。
切削オーバーレイ工法のメリット
切削オーバーレイ工法を行うメリットは、主に以下3点です。
- 路面高さを高くしないで済む
- 短期間かつ低騒音
- コストが少ない
①路面高さを高くしないで済む
施工前と同じ高さで舗装するため、段差が生じないことがメリットの1つです。
舗装の厚さは、オーバーレイの厚さ設計方法に準じて決定します。
必要最低限の厚みを切削するだけでよいため、以下のようなケースにおすすめの施工です。
- 荒れた下地
- 沿道の建物が干渉しているとき
- オーバーレイを重ね、もうオーバーレイができたくなったとき
- 舗装面が高く盛り上がっている
- 凹凸が連続して平坦性が特に悪い
②短期間かつ低騒音
既存舗装をすべて取り去らないため、復旧する量は少なく済みます。
そのため、修繕工にかかる時間は大幅に短縮可能です。
切削するときにブレーカーを使用しないため、低騒音かつ低振動で施工できます。
交通に影響を与えず、さらに周辺住民にも配慮した工事ができることは大きなメリットでしょう。
③コストが少ない
既存舗装を取り去って新たに舗装を敷くよりも、シンプルな作業のためコストが安く済みます。
表層のみ切削してアスファルトを敷き直すため、廃材の発生量も低減可能です。
必要な材料が減り、廃材の処理も少なくできるためコストが安くなります。
切削オーバーレイ工法とオーバーレイ工法の共通点と違い
切削オーバーレイ工法とオーバーレイ工法は、いくつか共通点と異なる点があります。
まず共通点は、使用材料です。
使われる材料はどちらの工法でも同じですが、それぞれ目的や場所によって見合った材料を選ぶことが重要でしょう。
次に異なる点は、以下2点です。
- 破損した表層部の切削作業の有無
- 路面切削機の使用
切削オーバーレイ工法では、名前の通り切削作業があります。
切削作業を行うため、路面切削機を使用します。
しかしオーバーレイ工法は、地面を切削せずに表層の舗装を重ねる工事です。
そのため路面切削機は使用されません。
これらの点から、路面の高さを変えたくない場合に切削オーバーレイ工法が選ばれます。