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【アスファルト舗装の補修工法】路上路盤再生工法とは?種類や施工方法を徹底解説!

施工する手順

事前準備

掘削を伴う施工になるので、水道やガス・電気施設などの地下埋設物、横断函渠などの位置把握をし、L型側溝等の路側構造物やマンホールなどの有無を確かめてからそれぞれ処置を行います。

添加材を敷きならす

既設舗装や予備破砕した路上再生路盤用骨材の上に添加材を偏りなく敷きならします。

人力・機械どちらの手法でも散布できますが、散布幅に変化なく一様に敷きならしたいときは機械を用いることが望ましいです。

破砕や混合を行う

添加材の散布後は、スタビライザーとよばれる路上破砕混合機で既設混合物や既設粒状路盤材料の破砕を同時に行います。

スタビライザーは地盤改良で用いられる重機で、地表から1mの改良に適用される場合が多いです。

環境配慮のため、混合・攪拌時において粉塵発生を抑制する機種も開発されています。

破砕混合時、乳剤などは機械のフード内に直接流し込み、混合させます。

破砕混合後は、含水比の調整をするため適宜水を撒きます。

破砕混合の際、破砕された既設混合物は最大粒径が50mm以下になるようにし、大きい殻は人力やバックホウを使ってできるだけ取り除きます。

施工レーンが複数存在する場合は、10cm程度の重ね幅を設け、混合済みの箇所と間を空けないようにします。

マンホール等の障害になる構造物や曲線部分は路上破砕混合機は適用できないので、部分的にバックホウで処理します。

また、施工幅が狭くスタビライザーが使用できない箇所では、バックホウで混合・攪拌する場合があります。

転圧や締固めを行う

破砕混合後すぐにタイヤローラを用いて初期転圧を行い、モーダグレーダで整形させます。

材料分離の危険があるので、注意しながら整形を行います。

整形後は、8~15t級、10t級の同重機を取り扱い、十分に締め固めます。

再生路盤の厚みが20cmを超えるときは振動ローラを用いて、より大きな締固めの効果を狙います。

養生を行う

プライムコートもしくはシールコートを施工すると、雨水等の浸透や再生路盤の乾燥を防げます。

乳剤散布後は、乳剤が走行車両のタイヤに付着してしまうことや、路面が痛まないように粗目の砂などを散布します。

また、一般的に即日で交通開放が可能です。

表層・基層工

路盤の施工が済んだ後は再生路盤の劣化進行や、早期の交通開放を考えて

できるだけはやく舗設します。

施工方法は打換え方法と同様の手順で進みます。

留意すべき事項

  • 本工法は路上で全ての作業が行われるため、どうしても品質にばらつきが生じてしまします。したがって、含水比の試験や測量を行うことで品質・出来形の管理をします。
  • 路面排水計画や浮体構造物など現地状況に合わせた仕上がり面の高さになるよう気を付け施工しましょう。
  • 市街地や駐車場付近などでセメント系添加材を使用するときは、粉塵抑制型・発塵抑制型を使用し、周辺地域への影響を少なくします。
    このような対応を行わなかった場合、粉や塵が舞ってしまい、住居や洗濯物、自動車などを汚してしまい、トラブルにつながってしまう恐れがあります。
    また対策型を使用する場合でも、周辺の工事連絡や粉塵抑制のシートを被せるなど苦情が起きないよう心がけましょう。

 

路上路盤再生工法まとめ

路上路盤再生工法は、破損した状態の既存舗装を路上で破砕させ、下層の粒状路盤とセメント・瀝青材料等の安定材と混合させることによって安定処理路盤を構築する工法です。

工期短縮やコスト削減、更なる構造の強化などさまざまなメリットがあります。

仕上がり面が既存よりも高くなってしまったり、品質・出来形の管理が難しいという面もありますが、舗装内部への破損に対して非常に有効です。

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