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大粒径アスファルト舗装、半たわみ性舗装とは?特徴や適用箇所、注意事項をご紹介!

半たわみ性舗装とは?

半たわみ性舗装とは、ポーラスアスファルト表面の粒の間にセメントミルクを浸透させアスファルトのたわみ性とコンクリートの剛性を兼ね備えた舗装です。

明色性もある為、バス停や歩車道を区別する為にも使われ、また、公園や商店街など景観を重視する場合にも使われます。

それでは、特徴や適用箇所、注意事項を解説します。

半たわみ性舗装の特徴

ポーラスアスファルト表面の粒の隙間に特殊セメントミルクを浸透させた舗装で、アスファルト舗装のたわみ性とコンクリートの剛性を兼ね備えた舗装です。

流動性・摩耗性に優れていて、耐油性・難燃性・明色性を持っているので、トンネル内などの強度と明るくしなければならない場所などに使われます。

養生期間は、通常3日間、早強タイプで1日、超速硬タイプで3時間です。

全浸透型と半浸透型があり、車道で使われる場合は耐久性を考慮し、全浸透型が適用されます。

また製品によっては、表面を研磨し飾り目地を入れて大理石平板風に仕上げたものや、目荒らしして小砂利敷舗装風に仕上げることもできます。

半たわみ性舗装の適用箇所

  • 駐車場
  • トンネル内
  • 重交通路線
  • バスターミナル
  • 交差点や坂道の制動・発進区間
  • バス停や歩道など区画を明確にしたい場所
  • ガソリンスタンドや工場など油脂を扱う場所

耐久面では、駐車場やバスターミナル、交差点前、坂道など、制動・発進が多い場所や、車両の通行がいちじるしい場所で使われます。

スクールゾーンや歩道、バス停など色で道路を区別したい場合には明色性の特性を活かした舗装が可能です。

そして、油脂にも強い為、ガソリンスタンドや工場といった油脂を扱う場所にも適用できます。

普段の生活でよく見かける場所といえば、公園などのランニングゾーンや、バス停の前の白い舗装やトンネル内の白い舗装が挙げられるでしょう。

また、高知県高知市の国道56号線では、半たわみ舗装で石畳風の道路に仕上げています。

半たわみ舗装の実例

神奈川県川崎市の県道『中原街道』の整備工事にも、半たわみ舗装が取り入れられています。

この道路整備区間は、江戸時代に整備された歴史のある街道で、将軍家が宿泊の為に本陣を構えた場所でもあり、歴史を感じられるものが今でも残っている地域です。

近くにはお寺もあるので、景観をよくする為に石畳風の舗装や情緒ある舗装色にする必要があったので半たわみ舗装を採用したそうです。

(参考:川崎市南部都市基盤整備事務局 まちづくり委員会追加資料)

半たわみ性舗装の注意事項

  • セメントミルクがアスファルト内に浸透しない基層を設けなければいけません。
  • セメントミルクには収縮ひび割れが起きない添加剤が入っているが、配合や施工、養生などに配慮しないとひび割れが発生する場合があります。
  • ポーラスアスファルトの温度が高いとセメントミルクが浸透しにくくなるため、舗装の施工直後や夏季での作業には十分注意しましょう。
  • 舗装上にセメントミルクが残ってしまうと、滑り抵抗性が低下するので完全に除去する必要があります。

 

まとめ

  • 大粒径アスファルトは、粒同しの噛み合わせが良いので高耐久が期待でき、かつ施工スピードも早いので、時間に制約のある場所での工事で活躍します。
  • 半たわみ舗装は、車が止まったり発進したりする場所使用されたり、明色性があるのでバス停や歩車道の区分けができます。

どちらのアスファルトも特殊な特徴があり、この記事で紹介しましたが関西国際空港では大粒径アスファルトが使われ、神奈川県川崎市の中原街道では景観を保つ為、半たわみ舗装が使われました。

大粒径アスファルトも半たわみ舗装も施工が特殊なので、施工する際は注意が必要でしょう。

大粒径アスファルトのほとんどは基層に使われる為、普段目にする機会はありませんが、半たわみ舗装はバス停や情緒ある町の景観の一部になっているところもあるので、目に止まった際は道路を含めた景観を楽しんで下さい。

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