砕石マスチック舗装(SMA)とは?
改質アスファルト舗装と同様に、通常のアスファルト舗装よりも高機能な砕石マスチック舗装も様々な過酷な交通環境の道路で使用されます。
高い水密性と排水性で、積雪地域や雨の日などのスリップが懸念されるような道路、高耐久を要する道路などで使われます。
砕石マスチック舗装の特徴
砕石マスチック舗装とは、粗骨材の割合が多く、フィラー量が多いアスファルトモルタルで、粗骨材の隙間を充填した不連続粒度のアスファルト混合物を使用した舗装です。
粗骨材のかみ合わせ効果と改質アスファルトの効果により、塑性変形抵抗性に優れており、尚且つ摩耗抵抗性にも優れています。
また、繊維質補強材を用いた空隙率(2〜3%)の混合物である為、水密性やたわみ追従性にも優れています。
砕石マスチック舗装の適用箇所
ポーラスアスファルトに比べ、骨材飛散抵抗性が優れており、タイヤチェーンを使用した走行にも対応できる為、積雪地域で適用されます。
長寿命も期待できる、塑性変形抵抗性・摩耗抵抗性・すべり抵抗性・疲労破壊抵抗性を兼ね備えているので、重交通道路の表層・基層や橋の舗装、高速道路などのコンクリート床板上の基層に使われます。
他にも、高速道路のトンネルなどで使用される色が白いものや、部分補修用のもの、そして防水用のものがあり、様々なところで活躍しているでしょう。
また、近年舗装上部の排水機能と、舗装下部には砕石マスチック舗装を使った防水機能を兼ね備えた『多機能型排水性舗装』というものが登場しています。
この舗装では、路面凍結・ブラックアイスバーンの防止や、騒音の軽減が見込めるでしょう。
(参考:縦溝粗面型ハイブリッド舗装「フル・ファンクション・ペーブ」株式会社ガイアートT・K)
砕石マスチック舗装の注意事項
十分な転圧や十分なニーディング作用を受けなければ、本来の性能が得られない為、適切な機械や、転圧方法の選択が必要です。
一般的には、フィニッシャーで敷き均しを行い、プレートやローラーで転圧を行います。施工性を改善するために中温化添加剤を添加する場合があります。
また、施工時には、温度低下や過加熱に注意が必要です。
改質アスファルト舗装とは?特徴や適用箇所、注意事項まとめ
- 改質アスファルトとは、ゴムやポリマーを添加し、従来のアスファルトよりも強度を上げた性能向上舗装。
- 砕石マスチック舗装は、アスファルトモルタルを粗骨材に充填させ、水密性・塑性変形抵抗性・摩耗抵抗性・すべり抵抗性・疲労破壊抵抗性・骨材飛散抵抗性を兼ね備えた舗装です。
通常のアスファルト舗装よりも高機能で高耐久の、改質アスファルト舗装と砕石マスチック舗装は、重交通路線・交差点・積雪地域・滑走路・高速道路などで使用されます。
また、付加機能がついたポリマー改質Ⅲ型-W、Ⅲ型-WF、H型-Fはそれぞれ特殊な場所で使われます。
性能や施工性が、通常のアスファルト混合物とは違う場合があるので、施工する際は十分に注意して行う必要があるでしょう。