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【アスファルト舗装の補修工法】表面処理工法とは?種類や施工方法を徹底解説!

表面処理工法とは、アスファルト舗装表面に破損が生じ荒れてしまった場合に、薄い封かん層を設ける工法です。

施工方法によっては遮水性やすべり抵抗性の回復や向上を見込め、見た目のリフレッシュ効果も狙えます。

そこで、表面処理工法にはどんな措置方法があるのかいくつか解説していきます。

 

シールコート・アーマーコートとはいったいどんなものか

シールコートは表面に瀝青材料を散布した後、骨材で覆って薄い膜のようなものを作ります。

これにより、耐水性や摩耗抵抗性の回復が見込めます。

対してアーマーコートは2層以上重ねて施工します。

これは、既設路面が1層だけでは回復が見込めないほど荒れてしまっている場合や、交通量が多く施工後すぐにはがれてしまう恐れがある場合に適用されます。

いくつもの層を重ねることで当然強度が増すことを可能にします。

使用材料はどんなもの?

骨材は一般的に硬質のもので細粒分がダストのないほうが望ましいです。

基本的に骨材や乳剤の選定は気象条件・現場条件で決定することが重要です。

乳剤は一般的に、PK-1,2は交通量が少なめ、PKR-S-1,2は交通量が多い、PK-Hは勾配がきつく、また分解を早めにしたいときに用いられます。

施工に際する手順

準備工

1.ポットホールは穴を先に埋め、破損状況が悪い箇所は先に部分的に打ち換えます。

2.瀝青材料の付着を防ぐため縁石やマンホール、ガードレールなどの道路付属物などを保護します。

3.路面を清掃します。

瀝青材料の散布を行う

アスファルト乳剤をエンジンスプレイヤ、アスファルトディストリビュータなどで散布します。

その際は、散布量が問題ないかと均一に塗布できているかを確認します。

骨材を散布する

乾燥され洗浄された骨材が望ましいですが、乳剤を使用している場合は多少湿っていても問題なく扱うことができます。

転圧をかける

骨材散布後はタイヤローラですぐに何度も転圧し、瀝青材料に馴染ませます。

アーマーコートの場合は2層もしくはそれ以上施工を行うため、上記の工程を何度も繰り返す必要があります。

養生を行う

完全に硬化するまで行います。

原則車両を通してはいけませんが、やむを得ない場合は低速で走行させ、できるだけ影響がないように気を付けなければなりません。

留意すべき点

  • 骨材を撒きすぎると、付着が十分にできなかったり、交通解放後飛散してしまうおそれがあります。
  • 材料を加熱・加温させて用いるとなおよいです。
  • 浸透用の乳剤の開発や、施工機械の改良が進んでいるので、施工効率や安全性が飛躍的に向上しています。乳剤と骨材の散布が同時に行える機会の開発も進み、施工の完成度についても更なる発展が見込めます。

 

カーペットコートによる施工

既設舗装の上に加熱混合物を厚さ1.5~2.5cmの薄層に敷き固めます。

オーバーレイは一般的に厚みが3~5cmなのでそれよりも薄いです。

ただ、舗設作業はほとんど変わりません。

特徴として、他に比べ短い時間で道路を開放できます。

使用する材料

砕石、スクリーニングス、砂、石粉および瀝青材料をして使用しますが、骨材の最大粒径は5mmで用いるのが一般的で、5mm合材とよく呼ばれています。

耐久性を改善するため、ゴムや樹脂を添加することもあります。

施工方法

下準備

路面を人力や路面清掃車で清掃します。

タックコートの使用

散布過多になってしまうと表面処理後、ブリージングやわだちの原因になるため、気を付けながら散布します。

混合物を敷きならす

アスファルトフィニッシャを使用して平たん性を確保します。

転圧をかける

5t以上のタイヤローラやタンデムローラの使用が一般的です。

養生をする

施工後50℃以下になれば交通開放が可能です。

留意すべき点

  • 細粒分が多いため締め固めにくいです。
  • 混合物温度が下がりやすいので、転圧温度の確保やできるだけ早い施工が重要です。
  • 高締固めタイプのアスファルトフィニッシャを使用したほうが、ヘアクラックが生じません。
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