最新コラム・レポート

【アスファルト舗装の補修工法】線状打換え工法、ブリスタリング対策とは?施工方法を徹底解説!

ブリスタリングとは?対策方法はどんなものがあるのか

ブリスタリングとは、路面に小さな気泡や直径数10cmほどほどの膨らみが一様に発生する現象です。

一つ一つがさまざまな大きさに隆起してしまいます。

透気性が低い地盤に対して非透気性のアスファルト混合物を舗設してしまった場合に発生してしまいます。

原因はいくつか考えられていて、水上気圧、可溶性塩、製鋼スラグのエージング不足、微生物の影響などとされています。

表層やプライムコート、タックコートなどに閉じ込められた水分が暑い時期に水蒸気を発生させ、その圧力が日中の温度変化で膨れたりしぼんだりして繰り返してしまいます。

どんな事例が存在するのか

他の事例として、コンクリート床版上のグースアスファルトやマスチックアスファルトで層が成されているケースがあり、橋面舗装でも同様の現象を確認することがあります。

また粗粒度や開粒度のアスファルト混合物には空隙が多いので、水分が残りやすく、表層施工時に蒸発して起こしてしまうケースもあります。

空港滑走路などのアスファルト舗装にも発生することが多く問題になっているため、国土交通省からメカニズムや対策資料が上がっていたり、論文記述が発表されていたりします。

ブリスタリングの対策はなにができるのか

アスファルト混合物の舗設中に発生してしまったとき

アスファルト混合物の舗設中に発生した際、千枚通しや釘などで中の空気を排気し、木ゴテなどでたたいて密着させます。

舗設後に起こってしまった場合は、床版を傷つけないようドリルで孔を開けて内部の空気を抜きます。

その後、ドリル孔から水が入り込まないよう注入材を充填させます。

注入材は瀝青系注入目地材やエポキシ系注入材が一般的です。

最後に影響箇所の舗装を路面ヒーターやプロパンバーナーを用いて温めながら、ローラでゆっくり転圧を行い押し戻していきます。

路面ヒーターは道路上の融雪や凍結防止のために使用されることもある機械です。

積雪寒冷地で発生する可能性も高いブリスタリングですので、路面ヒーターを導入するのもそう困難ではないでしょう。

防水材の施工直後に発生してしまったとき

基本的にはアスファルト混合物の舗設中に起きた場合と同様の対処を行います。

直径10cm以上の大きな膨れ上がりが生じてしまった場合、電動ピックやドリル等で孔を開け排気します。

その後圧着させ、バーナーなどで炙りながら溶着させます。

直径10cm以下の小さなブリスタリングは、処置しなくても構いません。

留意すべき事項

  • ブリスタリングの数があまりにも多く密集しているような箇所では、非常に手間と時間を要してしまいます。したがって、上記の対策よりも舗装を打換えを検討するほうが望ましいです。
  • あくまでも応急対策なので拡大を防ぐことは難しく、改良の検討が必要になるケースもあります。

 

線状打ち換え工法・ブリスタリング対策まとめ

線状打換え工法では線状にクラックが発生している場合に、クラックに沿って舗装を打換を行います。

クラックが発生したままだと、劣化や雨水の浸入によってさらなる症状の進行や路盤・路床にも悪影響を与えてしまうので、ひび割れ箇所を補修するために採用されます。

打継ぎ面が弱点になりやすいため、ゴム入りアスファルト乳剤を使用して既設部分と新設箇所で縁が切れないように一体化させることもあります。

ブリスタリングとは、路面に小さな気泡や直径数10cmほどほどの膨らみが一様に発生する現象です。

舗装路面に電動ピックやドリル等で孔を開け排気した後、ローラなどで圧着させて、最後にバーナーなどで炙りながら溶着させる対策をします。

舗装自体が基本的に打継ぎ目が弱いので、全体的もしくは大部分を舗装して継目を減らすことが重要です。

しかし、クラック以外の舗装状態があまり悪化していない場合をめくって舗装するのは無駄な材料・手間・処分など生じてしまいもったいないのでこの工法が採用されます。

修繕工法自体は現場条件、気象条件などさまざまな状況に応じて工法の検討がされますので、どれもピンポイントな施工に見えて重要に間違いありません。

1 2