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【アスファルト舗装の補修工法】線状打換え工法、ブリスタリング対策とは?施工方法を徹底解説!

道路は、走行する車両の荷重・地域性・気候等さまざまな影響を受け、供用性能が低下していくと劣化が進行してしまい、安全・安心な交通に支障をきたしてしまいます。

そのため、舗装の破損具合に応じて、適切な方法を採用して補修しなければなりません。

補修は大別すると2種類あり、1つは劣化の進行や破損拡大の防止を目的に行われ、舗装を長期的に機能させるための維持による補修。

もう1つに既存の構造をさらに強化させ、供用性能の向上や回復に務める修繕の補修があります。

どのような破損をしているか、どこまで応急性があるかによってさまざまな手法がありますが、線状打換え工法、ブリスタリング対策について解説します。

 

線状打換え工法とは?一般的な打換え工法とどう違うのか

通常の打換え工法は舗装の大部分を除去して新たに舗装しますが、線状打換え工法では線状にクラックが発生している場合に、クラックに沿って狭い範囲で舗装を打換を行います。

クラックが発生したままだと劣化や雨水の浸入によってさらなる症状の進行や路盤・路床にも悪影響を与えてしまいます。

したがってひび割れ箇所を補修するために採用されることが多いです。

幅の狭い範囲で施工することになるので、ひび割れの範囲が広い場合や亀甲状になっている場合は違う工法で補修します。

使用する材料

表層・基層・瀝青安定処理層ともに加熱アスファルト混合物を使用します。

交通量など現場条件を考慮して、耐久性が高い改質アスファルト混合物を用いることもあります。

改質アスファルトには、熱可塑性エラストマーやゴムなどが混合されたポリマー改質アスファルトをはじめとし、Ⅰ型・Ⅱ型・Ⅲ型・H型とさまざまな種類があります。

施工する手順

舗装を線状で切り取りをする

線状に発生しているひび割れや近くにある不良部分をコンクリートカッターなどで切断します。

その後、施工量に応じて、バックホウやブレーカーではぎ取るか路面切削機を使用するか選定します。

タックコートを塗布する

まず、切り取った箇所をコンプレッサーなどで清掃します。

コンプレッサーは空気を圧縮させる工具でエアブローが可能です。

作業時に負担が小さく幅が狭い場所でも対応できます。

綺麗になった後、エンジンスプレーヤ等でアスファルト乳剤を均等に散布します。

このとき、既設舗装の切断面もブラシなどを使って十分に塗布します。

混合物を舗設していく

アスファルトフィニッシャもしくは機械が使用できない狭い箇所などは、人力作業で加熱混合物を敷きならします。

その後、タイヤローラや小型振動ローラなどで締固めを行います。

継目部分は締固めが難しいですが、後の転圧不足による道路の沈下や段差の発生を防ぐため、丁寧に作業する必要があります。

養生を行う

舗設後、表面温度が50℃以下になるまでは、交通開放を行わないようにします。

養生時間は打換え工法と基本的に変わりありません。

留意すべき事項

線状打換え舗装と既設舗装の打継ぎ面は舗装の劣化につながり、進行してしまうような弱点となってしまいます。

そこで、ゴム入りアスファルト乳剤を使用して接着力を上げます。

その効果を期待して、既設部分と新設箇所で縁が切れないように一体化させます。

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