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【アスファルト舗装の補修工法】切削工法、グルービング工法とは?施工方法を徹底解説!

グルービング工法とはどんなもの

グルービング工法は舗装表面に一定間隔で浅い溝を作ることで、すべり抵抗性の向上を図る工法です。

路面の排水性が高くなるので、降雨時の路面摩擦がより見込めます。

排水性が高いと、タイヤと路面の間に水が入り込んで車体が浮いてしまうハイドロプレーニング現象も防ぐことができます。

さらに路面温度の上昇が高くなるため、寒冷地域での凍結抑制や積雪の防止にもつながります。

溝は車両の進行方向に沿った方向と横断方向に設置する場合があります。

縦型のグルービングはカーブの多い道路に多く使用され、横方向に滑らないよう施されています。

横型のグルービングは車両の制動距離を短縮させることができます。

またそのような物理的な効果だけではなく、運転者の視線誘導効果や振動・走行音の変化により注意喚起にもなります。

したがって坂道が多い山間部の道路や交差点の手前などに用いられます。

また、アスファルト舗装に溝を切ると流動してしまい、溝がつぶれやすいという課題があります。

そのため、今後の課題として持続性が挙げられ、新たな方法や改善などを検討する必要があります。

施工方法

溝切り

グルービングマシンを冷却水を送りながら使用し、6mm幅の40mmピッチや9mm幅の60mmピッチなど所定の形状や間隔で溝を切ります。

速度超過防止対策として108mm幅のタイプや25mm程度の幅にして排水溝機能にするタイプもあります。

また、多数のダイヤモンドカッターが装備されているアスファルト舗装溝切専用のグルービングマシンがあります。

切削で発生したスラリーを回収する

溝切りを行うと切削して発生した泥水や作業に使用した冷却水が発生します。

バキューム装置でそれらを吸い上げ、集水装置で回収します。

汚泥は産業廃棄物として扱われますので、所定の処理場で処分しなければなりません。

乾式のグルービングだと、泥水の流出がないためバキュームの代わりに、発生した切粉を集める集塵装置が使用されます。

そのまま袋詰めするため周囲に漏れてしまうこともなく、そのまま再利用も可能です。

清掃

バキューム車や装置では除去しきれなかった泥水を、新たに散水することで水洗いして、再度バキューム装置で回収を行います。

留意事項

  • 舗装直後の路面にグルービングを行うと角欠けや流動が起こり、溝がつぶれてしまう可能性があります。したがって、供用されてから一定期間経過した路面に施工することが望ましいです。
  • 溝が目潰れしてしまっても、再グルービング工法を用いて施工する場合があります。
  • 路面排水促進を考慮する場合は、溝切の方向を勾配などを考慮しながら決定可能です。
  • 新設の路面に適用する場合は、ポリマー改質アスファルトを用いた混合物を選定します。ポリマー改質アスファルトはストレートアスファルトにゴムや樹脂を加えられたものです。変形や透水性に強いので、溝切りによる変形にも耐えうる素材です。
  • 効果の持続性は、表層の混合物の塑性変形抵抗性や摩耗抵抗性に左右されます。
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