常温材料を使用して施工する方法
常温式では常温の材料を使用できることが特徴です。
温度について気にかける重要度が下がるので、貯蔵していることも多いです。
特別な工具を使用したり手順が必要なく手に入れられるのが特徴です。
比較的交通量が少ない道路での施工に適していますが、緊急時やむを得ない場合にも使用されます。
取り扱いが容易な代わりに、加熱アスファルト混合物よりも安定性や耐久性に劣ってしまうことがデメリットです。
また養生期間も必要です。
しかし、常温混合物には弱点がありますが近年は克服できるよう新しい混合物の開発が進められています。
常温式で取り扱う使用材料
一般的にカットバックアスファルト系やアスファルト乳剤系、反応型樹脂系の3つに分けられます。
常温のアスファルト合材ならば、ホームセンターで販売されていることも多く誰でもお気軽に手に入れることができます。
まとめて発注したいときは、建材店や合材を直接取り扱う会社から発注すると大量に仕入れることもできます。
段差の擦り付けであれば、粒度が細かいアスファルトモルタルなどの材料を使用することも可能です。
パッチング工法は水に弱いですが、近年の開発が進み耐水性や接着性を強化させ、補修か所に水がたまっていても使用できる材料も登場しています。
特に樹脂系混合物は開発が進み、早期の交通解放が可能で耐久性に優れたものが多いことから現場条件や気温に適した材料の選定を行います。
施工手順を紹介
準備工
下準備や前処理は加熱混合式工法を同じです。
唯一の違いは最近はタックコートを使用しない場合もあることです。
混合物を敷きならす
まず袋に入っている常温の混合物を解きます。
次に締固めが不十分になることを考慮して周りの舗装より1cmほど高く仕上げるように敷きならします。
転圧をかける
転圧に関しても加熱混合式工法と同様です。
締固めについても同様に、不十分だとパッチングの寿命に影響してしまいます。
一定時間養生する
瀝青材料の水分を飛ばしたり樹脂が完全に固まるまでは通行をさせてはいけませんが、狭隘な道などどうしても通らざるを得ない場合は短時間でも開放することもあります。
常温施工の場合に留意が必要な点
- 耐久度等の不安や養生期間も踏まえ、大型車等交通量が多い道路には適さないこと。
- 緊急を要する場合には、交通量が多い道路でも適用せざるを得ないこと。
- 隅角部などロードローラが使用できない箇所は、加熱したタンパなどで締固めを行うこと。
- 反応型樹脂系混合物で施工するときは、定められた時間内で使用すること。
パッチング工法まとめ!容易な施工で応急的な場合に用いられやすい
パッチングはアスファルト合材等を用いて部分的に損傷している箇所について、応急的に補修を行います。
加熱混合式工法と常温混合式工法の2つがあり、加熱式のほうが耐久性などには優れていますが、常温式のほうが容易で緊急度が高い場合には優先されることもあります。
オーバーレイや切削オーバーレイのように広い範囲に舗装を重ねるようなことはできません。
緊急時に採択されることも多いので、比較的小人数かつ短時間で工事が可能なところがメリットです。
しかしあくまでも根本的な対策ではないので、長期的にみるとやや不安があるところも覚えておきましょう。