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【アスファルト舗装の補修工法】パッチング工法とは?種類や施工方法を徹底解説!

舗装の維持工法は、応急的もしくは緊急性が高い舗装の破損を補修する工法です。

主な維持工法には、パッチング工法やシール材注入工法、表面処理工法など用途や条件に応じてさまざまな工法が存在します。

道路を安全・快適に通行するためには舗装を応急的に補修することは不可欠です。

本記事では、パッチング工法についてどんな工法なのか、どのような種類があるのかなど徹底解説していきます。

 

パッチング工法ってそもそもどんなことをするの?

パッチングとはポットホール、段差、局所的なひび割れやくぼみなどにアスファルト混合物を使って応急で填充することです。

大きく分けて2種類あります。

1つは事前に処理することなく合材等を直接破損箇所に流し込んで埋めてしまう方法があります。

特に緊急性が高い場合に採用され、自治体等はプレートや常温の混合物を使用して即座に埋めに行くこともあります。

したがって非常に簡易的で比較的技術力を重要としません。

もう1つはカッターなどで舗装を切断して不良部分を除去した後にアスファルト混合物等で埋め戻す方法があります。

さらに使用する材料によっても補修工法が変わってきます。

常温混合式工法と加熱混合式工法があり、施工前に加熱が必要な場合は常温混合式工法は不可能であるなど考慮して決める必要があります。

以下では、常温の場合と加熱の場合に分けて紹介していきます。

 

加熱材料を使用して施工する方法

加熱式は既設の舗装との相性が良く、長期の付着が期待できます。

また、耐久性や安定性にも優れているため、大型車が多く通行するような幹線道路などの主要道路の補修に適しています。

使用材料は加熱されたアスファルト

使用する材料は既設舗装と同じ材料も用いることが望ましいです。

しかし、緊急性が高い案件が多いため、最大流刑が13mm以下の密粒度アスファルトまたは細粒度アスファルトの混合物が使用されることが多いです。

タックコートに使用されるのはPK-4の乳剤が用いられます。

施工する手順を紹介

前処理や下準備

加熱施工の場合は、いくつか事前処理を行う必要があります。

まず、状態が悪い箇所を中心にカッターなどを使用し、埋め戻しやすいように整形します。

この際、あまりにも小面積な場合はカッターによる切断を行わない可能性もあります。

次に、施工箇所や周辺の泥や汚れなど落とさなければなりません。

ゴミなどが付いていると、アスファルトの付着に影響を及ぼしてしまいます。

最後に、タックコートの塗布です。

この際、吹き付けすぎた場合は不要な布などで拭きとります。

タックコートは接着剤のような効果があります。

混合物を運搬し敷きならす

打換え工法やオーバーレイ工法などと違って、少量の混合物しか使用しません。

運搬中は温度管理のためにシートなどで覆います。

十分な締固めが困難なことが多いので、施工後また沈下することを考慮して、1cmほど既設舗装より高めに仕上がるように敷きならします。

転圧をかける

小型のロードローラやビブロプレートを用いて締め固めます。

締固めが不十分ですと、施工後さらに沈下してしまったり、補修した部分から骨材が飛び散りはがれてしまったりして、寿命が短くなってしまいます。

一定時間かけて養生する

温度管理に気を付け、人が触れる温度になるまで養生を行い、車や人などが通行しないように気を付けないといけません。

加熱施工の場合に留意が必要な点

  1. 車両の通行がないもしくは少ない歩道から大型車の交通量が多い車道まで適用範囲が広いこと。
  2. 使用材料は既設舗装に合わせたアスファルト混合物が本当は望ましいこと。
  3. 緊急時は、他の種類の加熱アスファルト混合物を使用可能であること。
  4. 施工前の清掃を徹底し、十分に乾燥させること。
  5. 十分な温度を保つため迅速に施工を行うこと。寒冷な気候であるなどやむを得ない場合はバーナーを使用しますが、最小限までにすること。
  6. 端の部分などロードローラが使用できない小規模な面積部分は、タンパなどを加熱して締固めを行うこと。
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