最新コラム・レポート

【アスファルト舗装】破損の種類と原因まとめ

アスファルト舗装の破損の種類と原因についてまとめました。

破損の原因は、アスファルト混合物の原因などの内的要因と、気温や地下水脈などが原因の外的要因に分かれます。

施工不良による原因も中にはありますが、ほとんどが劣化や老化によるものだったり、車両通行によるものがほとんどです。

それでは、破損の種類と原因を解説していきます。

 

わだち掘れ

わだち掘れとは、車輪の荷重によって発生する、道路横断方向の変形と定義され、道路のタイヤの乗るところだけ舗装が凹んで、その周りが盛り上がってしまう現象です。

わだち掘れの原因は主に3つに分類されます。

  • 路床・路盤の沈下によるわだち掘れ
  • 流動わだち掘れ
  • 摩耗わだち掘れ

11つ解説します。

路床・路盤の沈下によるわだち掘れ

地下水の影響で路床・路盤の本来の支持力低下や、舗装工事時の転圧不足、舗装構造に対しての交通量が多い場合に起きる現象です。

舗装構造は、交通量によって決められますが、都市開発や、大規模施設が作られた場合、舗装構造を決定した時より、交通量が多くなってしまいわだち掘れが起きてしまいます。

また、舗装工事などの工事で決められた路床材・路盤材を使用されていない事が原因となり、発生する場合もあり、正常な支持力を発揮できないという事も想定されるでしょう。

まとめると、地下の影響、適正な工事、交通量がわだち掘れの原因となっています。

流動わだち掘れ

流動わだち掘れの原因は主に2つ。

  • 内的要因として、アスファルト混合物の配合。
  • 外的要因として、交通荷重と温度(気温)

アスファルト舗装は、温度が高くなってしまうと、成分のアスファルトが軟化してしまうので、変形しやすくなってしまいます。

そもそも、アスファルト舗装は粘弾性体といわれているので、交通量の増加や渋滞での影響も受けているのです。

すなわち、アスファルト舗装が持つ性質と、車の重さで、アスファルト舗装が変形してしまい、わだち掘れとなってしまいます。

気温が高い地域で、交通渋滞が頻繁な場所で起きる現象でしょう。

摩耗わだち掘れ

冬季のタイヤチェーン、スパイクタイヤでの走行などで舗装の表面がえぐられ、起きてしまう現象です。

 

ひび割れ

ひび割れは、アスファルト混合物の性質といった内的要因と、アスファルト混合物に作用する外からの力に起因する外的要因に分類されます。

本来アスファルト舗装は、交通量や路床支持力等を条件としてバランスが取れるように設計さているので、交通量の劇的な増加や、路床支持率の不均一によってバランスがくずれてしまい、ひび割れが発生してしまいます。

ひび割れの種類は主に2つ。

  • 亀甲状ひび割れ
  • 線上ひび割れ

この2つを詳しく解説します。

亀甲状ひび割れ

アスファルト舗装が亀の甲羅のようにひび割れする現象。

亀甲状ひび割れの原因は、路床・路盤の支持率低下によるもの、アスファルト舗装の劣化や老化に起因するもの、路床・路盤内の水分が凍結して起きるものに分けられます。

路床・路盤の支持率低下により、タイヤが通る場所だけが下がってしまい、アスファルト舗装は圧縮には強いが、引っ張りには弱いため、下がってしまった所へ引っ張られてしまい、亀甲状にひび割れができます。

また紫外線によるアスファルトの劣化や、単純な老化がひび割れ引き起こし、交通荷重という外的要因もありますが、劣化や老化したアスファルトが本来の性能を発揮できなくなる事が主な原因です。

路盤・路床内の水分が凍結して起きるひび割れは、凍ってしまった部分のアスファルト混合物が隆起してしまい、ひび割れを引き起こします。

線状ひび割れ

線上ひび割れは、ひびが直線に続いているひび割れ。

わだち部分の過走行による原因、基層部が起因するもの、施工時の継目、沈下によるひび割れなど外的要因や、施工の難易度が高い場所で起きる事が多い事が分かっています。

基層部の継目や、コンクリート床板のジョイント部分から誘発されて表層にも影響を及ぼし、主に横断方向へひび割れを引き起こしたり、舗装工事での継目処理不足によって、継目からひびが広がるという原因があります。

また、地下水や雨水で路盤・路床材が流れて舗装下が空洞になってしまい、舗装の保持力が低下して、ひび割れを引き起こす事が原因です。

寒冷地域では、温度変化により舗装体が収縮して起きてしまう温度応力ひび割れが報告されています。

 

ポーラアスファルト舗装の破損

ポーラアスファルトとは、アスファルト混合物の石粒同しの隙間を確保し、透水性や静音性優れているアスファルト混合物で、主に幹線道路などで使われます。

ポーラアスファルトの破損の定義は、透水、静音能力の低下や表層の剥離などが挙げられます。

透水性、静音性の能力が低下する原因は、隙間が詰まったり、潰れてしまったりする現象が上げられ、原因はタイヤに付いた土砂が溢れ落ちたり、沿道の土や埃が飛散して詰まってしまう原因と、舗装が交通量に耐えきれず潰れてしまう事です。

ポーラアスファルトの剥離が起きてしまう原因としては、基層が透水性ではない場合に起こり、透水した水が表層と基層の間に溜まってしまい、表層の支持力が低下して、わだち掘りを引き起こしたのちに剥離してしまいます。

1 2