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【アスファルト舗装】破損の調査・評価方法 

アスファルト舗装とは、駐車場や住宅地・幹線などにある道路表面に構成されている舗装のことです。

道路は大規模な宅地開発や自治体の都市計画に沿って完成されることが多いですが、施工してから耐用年数を過ぎていくと劣化が進行しています。

そのため、アスファルト舗装の破損状態を確認するために適宜調査が行われます。

また、舗装状態の調査は路面性状に関するものと舗装構造に関するものに分けられます。

本記事では、それぞれ2つに分けて調査方法と評価方法を紹介します。

 

路面性状の調査方法

路面性状にはいくつかの調査項目があります。

調査するには、日常的な目視でのパトロールによる観察や路面性状測定車で撮影した画像を用いて判定する調査があります。

下記で、各調査項目と調査方法を記載します。

わだち掘れ

路面のわだち掘れ量を測定することで調査します。

人力による方法

横断プロフィルメータ、直線定規あるいは水糸によりわだち掘れ量を測定する方法があります。

簡便な測量方法で小規模な調査に向いていますが、交通規制を伴う大規模な調査は大変厳しいです。

路面性状測定車による方法

路面性状測定車を道路に走らせることで、撮影画像から路面の変形度合いを求める方法があります。

長い区間を一度で撮影できるため、大規模な調査に向いています。

一般的にわだち掘れ量とひび割れ、平たん性の3要素を同時に測定することが多いです。

ひび割れ

路面のひび割れ率を測定することで調査します。

スケッチによる方法

観測者がマス目状の用紙にスケッチする方法があります。

簡便な測量方法で小規模な調査に向いていますが、人力のため大規模な調査は非常に時間を要してしまいます。

路面性状測定車による方法

わだち掘れと同様の方法です。

平たん性

路面の凸凹を測定することで調査します。

人力による方法

3mプロフィルメータまたは3m直線定規により測定車線に沿った路面の凸凹を測定して標準偏差を算出する方法があります。

小規模な調査の場合は3m直線定規による方法がよく用いられます。

路面性状測定車による方法

わだち掘れと同様の方法です。

段差

水糸を使用して、車線部や構造物に沿った段差を測定する方法があります。

また実用段階ではありませんが、段差測定車を用いて連続写真により段差を測定する方法も検討されています。

すべり抵抗値

振り子式スキッドレジスタンステスタによる方法

振り子の先端に取り付けられた縁が路面を滑動するときの抵抗力から測定する方法があります。

DFテスタによる方法

円盤底部に取り付けられたタイヤゴムピースが回転する際に発生する摩擦力から測定する方法があります。

すべり抵抗測定車による方法

走行中、測定車が備えている独立した試験輪をロックさせることで検出される抵抗力から測定する方法があります。

常時の散水が必要なので、雨天時は計測できません。

路面の粗さ

サンドパッチングによる方法、砂拡大器による方法

所定量の砂を路面に敷き広げて路面のきめ深さを算出する方法があります。

敷き広げた砂の広がりや面積からきめ深さを求めることができます。

センサきめ深さ測定装置による方法

非接触型のレーザセンサにより路面凸凹の変化量を測定する方法です。

連続測定が可能なため人為的な誤差を減らすことができ、上記の方法では測定できない路面も測定が可能です。

回転式きめ深さ測定装置による方法

レーザセンサで回転中心から一定距離の演習場の路面凸凹を測定する方法があります。

供試体でも測定が可能なので、現場でなくても求めることができます。

浸透水量

現場透水量試験機を用いて、雨水を路面下に浸透させることができる舗装の浸透水量を現場で測定する方法があります。

路面騒音

舗装路面騒音測定車による方法

特殊タイヤ、昇降機、マイクロフォン、騒音計などにより構成される舗装路面騒音測定車を用いて、路面を走らせることで測定する方法があります。

普通車による方法

普通自動車や普通タイヤを用いた測定装置を使用して路面を走らせることで測定できる方法があります。

上記の方法と違い、速度や温度の補正が必要です。

環境騒音の測定

路面の沿道地域を走行している自動車等から発生する騒音を、騒音計などで周辺への影響を計測する方法があります。

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