アスファルトシングルは、日本ではまだまだ聞いた事がないという人が多い屋根材です。
北米での屋根材シェア率約80%と人気のあるアスファルトシングル葺きの屋根は、デザイン性が高く、防水性も高いのが特徴で、素材も軽くて、耐震性に優れていることから、日本でも徐々にシェアを広げている屋根材と言えるでしょう。
しかし、豪雪地方では使えなかったり、強風が多い地域では使えなかったりと日本ではまだまだ課題のある屋根材で、なかなか浸透していません。
この記事では、そんな特性を持つアスファルトシングルについて解説しています。
アスファルトシングル葺きの屋根とは?
アスファルトシングルとは、グラスファイバーにアスファルトを浸透させ、表面に彩色石を散りばめたシート状の製品です。
他の屋根材との大きな違いは、軽くて多彩なカラーバリエーションが魅力の屋根材で、材料費も安価で、メリットが多い屋根材ですが、まだまだ課題の多い屋根材です。
北米でのシェアは80%を超えていますが、日本でのシェアは3〜5%と言われています。
その背景には、日本ではまだ歴史が浅く、施工できる業者や、扱っている建築業者が少ないという理由があり、中々浸透していません。
更に、豪雪地域では使用できなかったり、1年を通して風が強い地域では不向きだったりと使用する条件もある為、そうなると日本の約半分程度の住宅に使えない場合があるので、中々浸透しないでしょう。
アスファルトシングルのメリット
使用条件が厳しいアスファルトシングルですが、他の屋根材と比べメリットが多い屋根材と言えます。そのメリットを解説していきます。
軽くて耐震性に優れている
アスファルトシングルの重さは、瓦の1/5、スレートの1/2と軽い屋根材です。
屋根が軽いと、地震の際の住宅の揺れを軽減でき、大震災級の地震が来ても屋根の重みで住宅が潰されてしまう心配も少なくなります。
軽さだけで考えるならば、金属素材の屋根が最も軽いですが、価格が跳ね上がるので、軽さを重視しつつ、住宅の価格を抑えたいのならアスファルトシングルがおすすめです。
加工が簡単
簡単にハサミやカッターで切断できるので、加工が容易です。
加工が容易だと
- 特殊な形状の屋根でも使用できる
- DIYで補修ができる
- 施工期間が短くなる
等のメリットが生まれます。
特に住宅で他と差をつけたい場合、屋根を他とは違った形状にする事もできるので、他の屋根材では難しい屋根にする事も可能です。
デザインが豊富
アスファルトシングルは、彩色石で色が付いている為、ペンキで塗ったような色合いとは違い、シックでナチュラルな色が特徴です。
また、2層構造のアスファルトシングルなら、その凹凸が自然な色の調和を生み出したり、グラデーションカラーもあったり、ペンキでは生み出せない色を出せる事ができます。
メーカー毎に色や種類もありますが、全部合わせると20〜30種類あるので、好みの物を見つける事ができるでしょう。
カバー工法が可能
カバー工法とは、既存の屋根の上からリフォームする工法です。
カバー工法は、葺き替え工事より安価で、施工期間も短くする事ができ、廃材も出ないので環境にも優しく、現代に合った工法でしょう。
他の屋根材でもカバー工法で屋根をリフォームできますが、屋根の重さが単純計算で2倍になり、耐震性に懸念が生まれます。
元から軽いアスファルトシングルであれば、2倍になったとしても、スレート屋根と同じ程度の重さになるので、耐震性の懸念は払拭されます。