アスファルトシングルとは、北米でのシェア率が80%を占めている屋根材です。
グラスファイバーのシートに、改質アスファルト、砂粒を吹き付けていて、防水性やデザイン性に優れた屋根材ですが、日本では施工できる業者が少なかったりと課題のある屋根材と言えるでしょう。
一概にアスファルトシングルと言えど、メーカーや種類によって、デザインや機能性が全然違います。
この記事では、アスファルトシングルのメーカー、種類について詳しく解説しています。
アスファルトシングルの特徴を解説
アスファルトシングルは通称『シングル』と呼ばれる、屋根材です。
アメリカやカナダの住宅では80%以上使われている屋根材で、100年以上の歴史があります。
アスファルトシングルとは?
シングルの素材は、グラスファイバー素材のシートにアスファルト、粒状彩色石を重ねた屋根材です。
北米でのシェアは80%と高いシェア率を誇っていますが、日本ではまだまだ普及されていません。
2019年の屋根材のシェア率はわずか3.9%となり、日本には浸透しているとは言い難いでしょう。
原因は、まだ日本での歴史が浅い他に「施工できる業者が少ない」「取り扱っている業者が少ない」といった理由があげられます。
アスファルトシングルの特徴
- デザイン性が高い
- 軽量で耐震性が高い
- 加工がしやすい
などの特徴があげられ「オシャレな建物」「屋根の形状が特殊」に対応できます。
アスファルトシングルを作っている「田島ルーフィング」の商品は、カトリック教会や格式の高い旅館で使用されていて、アスファルトシングルは、あらゆるデザインに対応でき、品位も保つことが分かります。
しかし、強風に弱いといったデメリットがある上に、施工実績のある業者が少ない特徴もあり、日本ではまだまだ課題のある屋根材と言えるでしょう。
他の屋根材との比較
他の屋根材との最大の違いは「軽さ」と「加工のしやすさ」でしょう。
シングルはカッターやハサミで簡単に加工できるし、一畳分の重さもわずか25kg程度(瓦は90kg前後)です。
瓦やスレートは、真っ直ぐ斜めの屋根でしか使う事ができませんが、シングルは大きく湾曲した屋根でも使う事ができます。
その反面、釘や接着剤だけで固定されている軽量のシングルは、強風で飛ばされてしまう可能性もありますが、地震の際、屋根の重みで家がつぶされてしまう可能性が無いので、耐震性には優れています。
アスファルトシングルを作っているメーカーは?
日本で使われているアスファルトシングルを作っているメーカーを紹介します。
ひとえにアスファルトシングルといっても製品によって、違う性能、特徴があるので、メーカーの紹介をしつつ製品の紹介もしていきます。
田島ルーフィング
田島ルーフィングは1919年に、アスファルト防水材料の会社として生まれました。
主力事業は床材と防水で、学校や病院などの床や屋上防水を数多く手がけており、屋根材の分野では、教会や格式の高い旅館でも使われています。
田島ルーフィングで手がけている床材、防水材、屋根材のブランド合わせて25以上あり、数多くの建築に携わっていて、中には有名な商業ビル、国登録の有形文化財にも携わっているので、田島というブランドが信頼されている事が分かります。
YouTubeやピンタレストで、住宅建材について発信もされていますので、住宅についてあまり分からない人や、これから注文住宅を建てるという人にも参考になる発信をされているので、是非ご覧になって下さい。
ニチハ
ニチハは壁材や屋根材といった建築資材を販売している会社です。
窯業系外壁材のトップメーカーとして、10~30年保証出来るほどの技術と実力を持っており、屋根材であるアスファルトシングルも信頼できるものとなっています。
ニチハの窯業系サイディングのシェアは55.7%(2021年1月〜3月期)と国内で使われている約半数の窯業系外壁材はニチハの製品が使われているという事です。
窯業系外壁材は、優れたデザインが魅力の1つで、ニチハが手がけるアスファルトシングル「アルマ」も鮮麗されたデザインが魅力です。
旭ファイバーグラス
旭硝子とオーウェンスコーニング社の共同出資によって1965年に誕生しました。
現在では、耐火に優れた石膏ボードシェア率日本一の吉野石膏のグループ会社となっています。
旭ファイバーグラスは断熱材に力を入れている会社であり「ノン・ホルムアルデヒド」という材料を使った断熱材「アクリア」という製品を販売している会社です。
グラスファイバー製の断熱材は安価で施工しやすい反面、十分な断熱効果を発揮しない場合もありますが、アクリアは独自の技術と施工方法によって「安価で暖かい住宅作り」を目指しています。
OWENS CORNING(オーウェンスコーニング)
アメリカのグラスファイバー製の断熱材を中心に扱っており、ピンクの色をした断熱材が目印で、アメリカで唯一「色」の標章登録が許可されている会社です。
アメリカ発のキャラクター「ピンクパンサー」をご存じですか?
オーウェンスコーニングのピンクの製品にちなんでピンクパンサーがマスコットキャラクターになっています。