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アスファルト舗装工事とは?施工方法の手順を分かりやすくご紹介

アスファルト施工方法を6つの手順で解説

アスファルトの施工方法には、6つの手順を踏む必要があります。

それぞれ工程には重要な役割があり、これらがうまく連結していくことでしっかりとしたアスファルト舗装が完成します。

ここでは、各工程の特徴を踏まえながら解説します。

手順1:現場の測量

工事を始める前に現場を測量します。

図面と比べて足りない情報はないか、ある場合はどこが足りないのか、細かくチェックすることが大切です。

さらに、工事を行う上で必要な目印をつけたり、粉塵対策をしたりなどスムーズに工事をするための準備をするのも現場測量で終わらせてしまうことで、次の工程にスムーズに移行できます。

手順2:施工計画の作成

施工計画とは、契約書と設計図書通りの舗装を施工するために施工業者が作成する計画書です。

注意しなければならないことは、計画書と現場の状況に差異がないかを確認して、現場に合わせた施工方法を検討できているかどうかです。

基本的には図面通りに施工することが大切ですが、差異がある場合は現場の状況に合わせて変更しなければなりません。

工事は準備8割と言われるため、効率的にかつ安全性を重視して現場に合わせた施工計画が大切になります。

手順3:路床工事

路床工事とは、舗装の最下層の部分で地盤を整形し、締め固めることで交通負荷を支持する最下層の部分を工事することです。

土で出来た地盤面でもあり、基盤となる大切な部分であるため厚みが1m以上あります。

そのため、重機を用いてしっかり掘り進めたあと、ローラーなどで重点的に締め固めます。

路床が脆弱な場合は、地盤沈下など重大な事故にも繋がりかねないので、特に気を付けて作業するポイントになります。

手順4:路盤工事

路盤工事とは、舗装の中間層の部分の工事で、所定の厚さに仕上がるように、平坦性を確保しながら均一に路盤材料を敷き、締め固める工事です。

路盤工事は下層路盤と上層路盤に分けられ、下層路盤が20㎝以下、上層路盤で15㎝以下の敷き均しが推奨されています。

この工程で密度を高め必要なCBR値に到達することで、実際に車や人が通行しても耐えられる耐久力を得ることができます。

手順5:基層工事

基層工事とは、路盤の不陸を整生し表層に掛かる負荷を均等に伝えるために行う工事です。

そのため、基層には負荷を支える耐久性と路盤のたわみに追従する柔軟性が必要になります。

150度以上に加熱されたアスファルト混合物を、アスファルトフィニッシャーと呼ばれる重機を使って敷均していくのが一般的です。

舗装の設計次第では、浸透水量などの性能機能や防水性能などが求められます。

手順6:表層工事

表層工事とは、舗装の最上部で一般的に目にする部分の工事です。

交通の安全性や快適性、機能性を確保しなければならない部分になります。
そのため、表層工事には基層工事で使用するアスファルト混合物よりも粒子が細かく密度の高い材料を使用するのが一般的となっています。

見た目をきれいに仕上げること、耐久性や柔軟性にをより向上させる施工方法を検討し行うことが大切になります。

 

舗装工事の押さえておきたい注意点4選

長く使用されることが想定されるアスファルト舗装工事には、厳密な品質基準が設けられています。

各基準は施工後に目視では確認できないため、各検査に合わせて最適な機材を用いて確認します。

この章では、各工程で行う検査の中で大切な4つについて解説します。

路盤の不良

路盤は上層部からの荷重を分散して路床に伝える大切な役割があるため、施工不良などがあった場合アスファルト舗装の耐用年数の低下を招きます。

そのため、プルフローリング試験を行い路盤面に問題がないか試験を行います。

試験方法はシンプルで、路盤面が出ている状態でダンプトラックを走らせ異常がないかを目視にて検査します。

このとき、異常が見られた場合はその周辺を切り取る形で撤去し、良質な材料に変えるなど一部改善処置を行います。

アスファルト量

アスファルトは面積に対して規定量が定められています。

そのため、表層工事が終わった後、硬化したタイムングでランダムにコア抜きをしてサンプル検査を行います。

抜き取ったアスファルト混合材の中に含まれる所定の骨材や粒子が規定値を満たしているか、しっかりと転圧されているかなどを確認します。

施工範囲内をランダムに選択肢いくつかのサンプルを抜きとって総合的に判断していきます。

路盤の締固め度

路盤の仕上げが終わったあとに行われる品質検査です。

締め固められた路盤に穴を開けて砂を詰めどれだけ砂が入ったかで計算する「砂置換法」が一般的に用いられています。

路盤の締固め度は路盤の荷重負荷に直結する大切なポイントです。

この作業が十分でない場合、車などの荷重に耐えられず陥没する可能性があるので注意しましょう。

平坦性

平坦性は、表層アスファルト混合物の仕上げが完了した時点で検査を行います。

なぜなら、舗装面が平坦になっていなければ、雨水が滞留して水溜りになったり、通行する車や人の交通弊害になったりして、障害をきたしてしまうからです。

3mプロフィルメーターと呼ばれる手押し車のような測定器具を用いて検査を行い、平坦性を確認します。

 

まとめ

アスファルト舗装工事の施工方法や手順について解説しました。

アスファルトは優秀な舗装素材ではありますが、デリケートな扱いが必要な素材でもあり、注意しなければ十分な機能を発揮できません。

そのため、各工程でどんな作業が必要なのか、どうして必要なのかを理解することは、とても大切な要素となります。

これらのことは、自分で施工する際にも役に立つ知識ですし、業者に依頼する場合でも打ち合わせの際など役に立つ知識です。

ぜひ活用してみてください。

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