駐車場や道路を作るときに行われるアスファルト舗装工事。
作業している風景をよく見かけることも多いと思いますが、どのような手順で行われているか知っているでしょうか?
作業時間によっては交通規制など不便に感じる人も多いと思いますが、実はしっかりとした理由があります。
この記事では、皆さんが疑問に思うアスファルト舗装工事の手順や目的について解説します。
この記事を読むことで、アスファルト舗装工事の理解が進み自分たちの周りで行われている工事も身近に感じることが出来ます。
また、自分の家の外構や一部分の施工を行う際にも、打ち合わせ等で有効に活用できるようになります。
是非参考にしてみてください。
舗装工事の役割って何?
舗装工事の役割とは、人や車が安全に道路を通行できるように地盤を整えることです。
基本的な役割は通行のためですが、このほかにも街の景観の維持や生活維持のための補強の役割で使われることもあります。
この地盤を整えるための方法は、一般的にアスファルトやコンクリートなどの材料を用いておこないます。
これは、生活に密着した場所が主な工事場所になるため、あまり工事に時間を掛けられないからです。
特にアスファルトの場合は、速乾性が高く施工後すぐに使えるようになるメリットからよく使われています。
舗装工事はなぜ必要?目的について
舗装工事の目的は、「快適性の保持」「安全性の向上」「景観の維持」の3つがあります。
快適性の保持とは、雨や風などの気候変動により道がぬかるんだり、粉塵が舞い上がるのを防ぐこと。
安全性の向上とは、路面を平坦にして人や車が通りやすくすること。
景観の維持とは、周囲の環境にあわせて綺麗にしたり色などを加えたりと変化をもたらすこと。
それぞれ、機能面と快適性の両面をになっており、私たちの生活に密接に関係している大切な要素になります。
4つの基本構造と役割
アスファルト舗装の構造は、「表層」「基層」「路盤」「路床」の4構造で出来ています。
それぞれの段階には大切な役割があり、適した材料や施工方法にも違いがあります。
ここでは、各層の特徴を踏まえながら解説していきます。
表層
表層とは、普段私たちが目にしている部分のアスファルトのことです。
約5㎝~10㎝程の厚みがあり、「アスファルト混合物」という材料を使用しています。
このアスファルトが、外側の車や人などと一番接する部分であることから、一定の強度と柔軟性が必要になります。
そのため、施工方法によってはアスファルトに樹脂などを添加し強度を高めた「改質アスファルト」を使うこともあります。
とくに、高速道路や重交通道路などでは多く利用されています。
基層
基層は、路盤の上にあるアスファルト部分の事です。
約5㎝~10㎝程の厚みがあり、表層と同じく「アスファルト混合物」を使用するのが一般的です。
同じ素材を使っていますが、役割は大きく異なります。
表層は道路の安全性や快適性を重視していたのに対し、基層は路盤の不陸を平滑化し表層がうけた荷重を路盤に潤滑に伝えることを重視しています。
そのため、交通量が少ない道路では基層が施工されないこともあります。
路盤
路盤とは、路床の上に設けられる砕石や砂などをローラー重機で締め固めた層のことです。
路盤の役割は、上層から伝わる荷重を広く分散させ負荷を小さくして路床に伝えるクッションのような役割です。
基層と似た役割を持つ部分になりますが、荷重は上層部に行くほど強くかかるため、下の方にある路盤は基層ほど強い素材を使わなくても問題ありません。
路盤は上層路盤と下層路盤の2つに分けられ、上層路盤は10㎝〜20㎝、下層路盤は20㎝〜30㎝の厚みが必要になります。
路床
路床とは、舗装を支持する地盤で路盤から約1m下の土の部分になります。
この路床は舗装工事の基礎となる部分ですので、この地盤の強度が舗装強度を左右するといっても過言ではありません。
そのため、舗装工事を行う際は地盤強度を確認するために、CBR調査やFWD調査を必ず実施し、その結果をもとに各工程の施工方法を決定していきますが、この路床が規定値に達しない場合は、セメントなどで補強して強度を高める施工を行います。