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【アスファルト舗装の補修工法】オーバーレイ工法とは?種類や施工方法を徹底解説!

オーバーレイ工法、という工事を聞いたことはありますか?

アスファルト舗装の施行方法にはいくつかあり、オーバーレイ工法はその1つです。

「オーバーレイ(overlay)」とは、英語で「重ねる」「覆う」という意味を持ちます。

既存の舗装上に、新たな舗装の層を重ねる施工方法です。

この記事では、オーバーレイ工法の概要から施工方法の流れ、注意事項を紹介します。

アスファルト舗装の手法に迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

 

オーバーレイ工法ってどんな舗装工事?

オーバーレイ工法とは、既設の舗装上にアスファルト混合物の層を重ねる工法です。

3つの主な特徴と、使用する7種類の材料について説明します。

オーバーレイ工法とは「重ねる」舗装工事

既存の舗装が既に劣化していたり、損傷している時に表面だけに重ねて舗装します。

既設の舗装上に新たな舗装を重ねるだけなので、他の舗装工事よりも施工期間が短いです。

また切削をしないため、騒音や振動が発生しません。

そのため、近隣住民に配慮した工事ができます。

このようなメリットのあるオーバーレイ工法の主な特徴は、以下3点です。

①舗装の支持力が高い

オーバーレイ工法では、舗装が頑丈になる特徴があります。

支持力とは、地盤が支えられる力の大きさのことです。

オーバーレイ工法では、一般的に3~5㎝の厚さで舗装します。

舗装の厚さがしっかりあるため、舗装構造を強化できます。

しかしその分、路面高さが高くなることは注意しましょう。

②破損した舗装の支持力の回復

破損した舗装に重ねて舗装することで、既設舗装の頑丈さが回復します。

そのため交通量が多く舗装面が摩耗しやすい道路や駐車場で、大活躍です。

既存の舗装に重ねることで、短い工事期間で破損した舗装の頑丈さが復活します。

しかし既設舗装の破損した原因を根本的に除去しないと、オーバーレイ工法を行っても少しの時間で再び破損するため注意しましょう。

③路面を平たんかつスリップしづらくする

劣化した既設舗装のガタガタした路面を回復させ、平たんかつスリップしづらい道路になります。

駐車場や道路など、車がよく通る場所では平たんかつスリップしづらいことが重要です。

舗装を重ねるだけで、平たんさとスリップしづらさを回復させられることはオーバーレイ工法ならではの特徴でしょう。

使用材料

オーバーレイ工法では、主にストレートアスファルトを用いた混合物を使うことが多いです。

ストレートアスファルトとはアスファルトの一種で、原油を精製して作られます。

伸張性や防水性が高いことが特徴です。

しかし場所や目的によって、適切な材料は異なります。

たとえば大型車が多いところや、タイヤチェーンを使う寒冷地では摩擦に強い舗装を選ぶ必要があるでしょう。

よく使用される7種類の舗装を紹介するため、目的に合った舗装を探してみてください。

改質アスファルト舗装

ポリマーや天然アスファルトなどを加えることで、石油アスファルトの性質を改善した改質アスファルトを用いた舗装です。

改質アスファルトを使うことで、耐久性に優れた舗装を作れます。

交通量の多い場所や、気象や気候の影響を受けやすい場所で使われることが多いです。

排水性舗装

空げき率が高いアスファルト混合物を表層に設けることで、路盤以下に水が浸透しない構造をしている舗装です。

車道路面から雨水を排水することを、目的としています。

雨天時の安全な走行や、騒音を低減したいときに用いられることが多いです。

砕石マスチックアスファルト舗装

隙間を埋めるフィラーと粗骨材の多い、ギャップ型粒度のアスファルト混合物を用いた舗装です。

水密性に優れている特徴があります。

雪が降る寒冷地や、幹線道路、排水性舗装の基層で使われることが多いです。

半たわみ性舗装

アスファルト舗装のたわみ性と、コンクリート舗装の剛性を複合的に活用した舗装です。

半たわみ性舗装用アスファルト混合物の空隙に、浸透用セメントミルクを注入して作ります。

流動、摩耗、油脂、熱に強いうえに明色性があるため、景観に合わせた色に着色できます。

大粒径アスファルト舗装

骨材の最大粒径が25mm以上の混合物を、アスファルト混合物に用いた舗装です。

骨材のかみ合わせ効果により、耐流動性や耐摩耗性に優れています。

1回の敷き均し層を10cm以上とするシックリフト工法の採用により、急速施行が可能です。

重交通路線や幹線道路、早期交通解放が必要な道路で使われます。

熱硬化性アスファルト舗装

石油アスファルトをエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で変成したエボキシアスファルトを、バインダとして使用した混合物を使った舗装です。

コンクリート舗装と、同程度の耐久性があります。

明色化できるためトンネル内の舗装修繕工事や、景観に配慮した舗装適用が可能です。

ロールドアスファルト舗装

ロールドアスファルト混合物を敷きならし、プレコートした骨材を散布し、その上からローラで圧入した舗装です。

すべり抵抗性や耐久性、美観性に優れています。

バスレーンやトンネル内舗装、山岳道路、橋面舗装などで使われることが多いです。

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